☆皆さんお元気ですか?☆
今日は私が実際に”肌で感じた現地のレゲエシーン”の感想を、がっつり書きたいと思います。
まず、日本で紹介されている比較的入手しやすいハワイ産レゲエは「Jawaiian」と称される、レゲエとハワイアンミュージックを足して2で割ったようなトロピカルムードあふれる雰囲気のものだと思います。
・・・もちろん現地でもそのような音楽は広く浸透しています。
でも私を招いてくれるような人たちは皆「Deepなレゲエ信者」。ラジオ局を介して現地のレゲエバンドの曲が流れ、多くの人に広まります。
面白いことにダンスホールの曲をきくことはあまりなく、ルーツ&カルチャー・テイストの曲がほとんどなのです。
なぜ彼らはダンスホールでなくルーツを選ぶのか・・・その謎を解く鍵が、滞在しているうちに自分なりに見えてきました。
ハワイはポリネシアンの他にいろいろな民族が移住してきて州を形成しています(いわばミニ国家)。
元々住んでいた人たちは合衆国本土(メインランド)から「奪われた土地」だと言います。
そして移住してきた人々にとっては「生き延びるために必死に仕事をする場所」。その中には多くの日本人がいるのはご存知ですよね。
マウイ島に滞在していた時、車でたびたび「さとうきび畑のプランテーション跡地」を通りました。日本人、フィリピン人、ポルトガル人・・・多くの人種がそこで働いたそうです。
ちなみに私たちを招いてアテンドしてくれたプロモーターのShannonも日系3世で「Satoshi」というミドルネームを持っています。でも話すのは英語。でも「バンザーィ」はしょっちゅう言ってたなあ、私たちへのサービスだろうか(笑)。
青い空と海、洗練された高層ホテル群と大規模なショッピングセンター・・・都会と自然が奇跡的なバランスで共存するオアフ島には多くの観光客が訪れます(言うまでもなく特に日本人は多いね〜)。
そんな観光客を尻目に、現地の人たちはレゲエミュージックを相棒に慎ましく日々の生活を送ります。
現地の人にとって見れば、彼らの住むこの地が「世界屈指の観光地」であることは何ら面白いことではない、と思う。だって物価は高い!東京とほとんど変わらないもの。
全ての”きらびやかな物”は観光客の為のものであって、彼らのものではないし。
そんな環境にいる彼らにとってルーツレゲエとは「プロテストミュージック」であり、アイデンティティーを証明する行為なのだろう。
これはルーツをやる人の「共通項」だと言えます。
彼らの服装を注意深く見ていると、白か黒(たまに茶色かカーキ色)しか着ないのだ。めっちゃ地味です。
私にはハワイの持つ、トロピカルでパラダイス的なイメージに抵抗しているかのように映りました(気のせいか?でもレゲエやっている連中やそのとりまき、み〜んなそんなだったよ)。
その彼らの音楽は、「純然たる」ルーツレゲエ。ヨーロッパにおける”ニュールーツ”のような過激さはなく、たんたんとワンドロップに「純然たる」ルーツレゲエの歌詞(バビロンから脱出、JAH賛歌・・・極めてスタンダードな内容)を乗せます。
そのようなバンドがたくさんひしめき合ってシーンを形成しています。
クラシックなルーツスタイルを継承しているのはいいのですが、皆似たり寄ったりな印象も受けたっていうのが正直なところ。
彼らは演奏が上手い(特にボーカリストは皆上手い、ハワイもジャマイカ同様に「良質歌手」輩出国だと思った)・・・シーン全体のレベルはとても高いと思う。
そんなシーンの中で、ドラヘビの曲や私の歌がラジオでヘビロテはされたのは「突出した個性」があるからなのだろうな、と自分なりに解釈しました。
私は歌の上手さで勝負するシンガーじゃない。でも突出した声の個性と歌詞という武器がある・・・どの世界にも言えることだけれど生き残るには「これだっ!!!」という武器がないとね。
いまさらながら私にこの声を与えてくれた親をはじめとしたご先祖さま、神さま仏さまに感謝なのであります。
でも決して満足していませんよっ!!!逆にもっともっと上手くなりたい!!と必死です。
私のフロントアクトを努めてくれたシンガー達はとても上手だったもの・・・。私も負けてはいられません。
もっともっと練習して、磨きをかけなくては。そしてルーツをやるもの、いつだって謙虚でなければ。滞在中「Humble」って言葉をたびたび耳にしたけど・・・謙虚とか慎ましいって意味。いい言葉だよね。
あっと、話がまた自分の方向にそれた・・・話を戻しましょう。
ハワイのレゲエシーンの中でも、これは!というバンドがありました。ウクラ・ザ・モック、ジ・アイオンズ、カノア・オブ・ゴメガです。
ウクラ〜はハワイで最も有名なルーツレゲエバンドかも知れない。
ライブを実際見たけれど、ドラムとベースのコンビネーションがすごくよくて「レゲエ」の醍醐味を感じさせてくれた。特にベーシストのグルーブ、シンコペ、音色全て良かった。歌も上手いし、地味ながら覚えやすいメロが多くすぐになじめた。しょっちゅうラジオでかかっていたから覚えちゃったね。
ボーカルのラスバードはダブセンがハワイでライブした時に、ラスタカシ君をうちに泊めたって言っていましたよ。
アイオンズは私ツアーでバックバンドを努めてくれました。本当に本当に感謝。
彼らの力なしには、今回のツアーの成功もなかったでしょう。
彼らは男性2ヴォーカル、女性2コーラスのいる大所帯。ファンデーション・チューンの演奏も得意だし、曲調も他のバンドに比べて明るいので「気持ちよく」踊れるバンド。
カノア・オブ・ゴメスはレゲエもやるけれど、基本はジャムバンドといったところか。
でもマウイ滞在中の私たちをサポートしてくれたマルチミュージシャンのカノアのアーティストとしての力量には目を見張るものがあった。
ジャック・ジョンソンをよりソウルフルに、ラウル・ミドンにレゲエフィーリングをプラスした・・・そんなシンガーである上、歌いながらドラム、べース、ギター、何でも完璧にこなす。
この人は日本でも人気が出ると思う。
私としては、「ハワイにライブしにいった!よかった!以上。」ではなく、これを機にどんどんハワイと連携を組んで、もっと現地の生のシーンを紹介したいし、こちらのこともどんどん知ってもらおうと考えています。
レゲエのカルチュラルブリッジ(文化的架け橋)を、日本とハワイにかけるお手伝いができれば・・・と思います。
リクルマイ