☆皆さんお元気ですか?☆
いや〜ブログに向かうの、めっちゃ久々です。
読者諸兄諸姉の皆さん、大変長らくご無沙汰してすみません。
ここ暫く「より気軽な」Twitterやfacebookを、ブログの簡易版としてちょこちょこやっているのですが、やはり140文字では伝えきれないことって少なからずあるよね。
そう、久々に思いっきり書き殴りたい!という衝動にかられてブログの場に戻ってきました。
イエ〜ィ
多分長文になると思いますが、どうぞお付き合いくださいませ。
今まで数多くのボブ〜レゲエ関連の映画を観ていますが、今作はボブ・マーリー財団初のオフィシャルドキュメント映画ということで、ボブの生立ちから最期までを、ボブの縁者達の証言・本邦初公開であろう貴重な映像・リマスターされ芳醇なサウンドとなった彼の楽曲の数々を通して「キメ細かく丁寧に」描いています。
とても見ごたえがありました!!!
今まで明かされることのなかった父親側の親族の証言と、母側の親族によるボブの幼少時の話から「白人と黒人のハーフ」であることが、ジャマイカの片田舎では”拒絶の対象になる”という事が色濃く伝わった。
この少年期の苦悩がのちのボブの「人と為り」「音楽性」を形成していくのだけれど
、、、何と言うか、言葉でつづるのは簡単だけど、本当にひどい少年期だったと思う。
想像するだけで私が泣きたくなるもの。
キングストンに移り住み、音楽と出会ってからのボブの歴史はもう説明無用。
リタ・マーリーやバニー・ウェイラ―の証言も、もう何度となく私の耳に入っています。
(つまりは彼らも何度も同じ話をいろんな場面で話しているってことね)
個人的にはRandysレーベルのクライブ・チン、そしてリー・ペリーがボブについて語ってるのが印象深かった。
Randysはアーリーレゲエ期に素晴らしい作品を量産した、私の大好きなレーベルだから!!
初めて観るクライブ・チンはチェックのジャケットにチェックのハンチングという姿。
英国紳士風な出で立ち。
それとは正反対の奇妙奇天烈なリー様は相変わらずのパフォーマーっぷりを映画でも披露。
ただ「ボブの曲はいじらしいんだ、だから彼を信じたくなるんだ」とボブについて語るくだりは、愛情もあり皮肉もあり、いろんな思いが交差するリーの気持ちが表れていたように思う。
ラスタファリズムに傾倒し敬虔なラスタファリアンとなったボブ、このボブの姿こそが一般に認知されるところの「ボブ・マーレー」なのだと思う。
ボブの歌の約半分を完コピして、ボブの文献をむさぼるように読んでいる私でも、私の経験の少ないゆえにボブを理解しきれていない部分がまだまだあると思ったし、新たな発見もたくさんあった。
「ラスタファリズムがボブに与えた影響の大きさ」
、、、この映画を通じて私が見出したものの一つはこれ。
いったん話は脱線しちゃうけど、もう何年も前、私の長らくの友人であるラスタマン(ブリクストン在住ジャマイカ移民)と電話で話しているときに「マイ、日本人が崇める神は誰なんだ?ブッダか、それとも天皇か?」と聞かれ私は困った。
「大昔は自然崇拝でいろんな種類の神がいた。そのうち仏教が伝来し日本中に広まったので、仏教式の行事や習慣が数多く残っているけれど、実際敬虔な仏教徒は多くはないし天皇崇拝者も少数だと思う」と当時の認識をもって説明した。
ラスタマンはとても驚いた様子で「では何を信じ崇拝しているんだ」と聞き返された。
私は「私自身は無神論者だ」と言った気もするし、「ラスタファリズムの理解できる部分を信じて自分なりに実践している」と言った気もする。
でもそれ以来、ラスタマンの言わんとしていることがずっと気になって「信仰」ってどういうものかを勉強したくなり一時期聖書にハマった時期もあった。
ラスタのバイブルは旧約聖書だし。
為政者が人民をコントロールするために宗教は大いに利用されたし、宗教の戦争に人々が駆り出され、宗教のために納金し労働し、、、宗教にどれだけ人民が翻弄されたかと考えると神に祈ることすら欺瞞に思えて萎えてしまう。
しかしその反面、聖書に書かれている言葉の一つ一つは人々を律する力を持ち、迷える子羊である我々を明るい方向に導いてくれるのだな、と聖書を読んでみてはじめてわかった。
そう「律する」の。
今の日本人には一番足りないファクター(要素)だと思う。
話をボブに戻すけど、ボブがラスタファリズムに巡り合ったのは必然であり、運命だったと思う。白人からも黒人からも仲間外れのボブが、それらを超越したところでの「Unity」を説くラスタ思想に自身の居場所を見出したのは、よく理解できる。
JAHの子ボブは自分の「使命」を世界中の人々に伝えるべく、自身の心身を「律し」音楽に心血を注いだ。
ボブのライブ映像の凄まじさったら!!!
惚れ惚れするを通り越して、私自身のふがいなさ、だらしなさ、イケてなさ、を突きつけられる。
そして、その存在の偉大さに大いに嫉妬する。
私はいつだってボブの音楽には喜びをもって打たれるのだけれど、この映画のライブシーンには心底打ちのめされた。
エドワード・シアガとマイケル・マンリーというジャマイカ2大政党の首領に握手をさせる伝説のシーンはもう何度も見ているけれど必見!!!
この映画ではボブの死の直前の、極めて貴重な映像を見ることもできる。
癌治療の副作用でドレッドが抜け落ち、妻や親しい仲間が見守る中ドレッドを全て切り落とした逸話が胸をうつ。
「Don't Cut Off Your Dread Locks」という歌があるほど、ラスタにとってのドレッドはアイデンティティーそのものだから、それをカットするということがどれほどボブにとって辛いことか、、、。
この映画のボブの言葉で特に印象に残ったものが二つあります(とはいえ一度見たきりだから正確な引用ではないです、ご了承を)。
一つは暴力がまかり通るジャマイカの政治情勢について語った言葉。
「政治が人々を分断し、そして支配する(divide and rule)」
この言葉は見事に政治の本質をついていると思う。
これは今を生きる私達にも密接にかかわっている。
古くは(まあ、今も)右と左を争わせる、
今で言ったら原発推進派と反原発派を争わせる、さらには反原発同士で「主義・主張の」違いで争わせる。
争いによって人々が分裂・分断し、その争いに人々が疲弊したときに、為政者が我々をまるっと支配する。
本当に大事なことを言っているな、そうなりかねない政局を日本は迎えているよ。
今こそ耳を傾けたい言葉だと思った。
もう一つはライブで訪れるアフリカについて語った言葉。
「天国は死後行くところではなく、今を生きる場所だ」
ここでボブが言う天国とはアフリカを指しているのだけれど、
私にとっては目からうろこが落ちるほどハッとする言葉だった。
私たちが心からこの世を天国にしようと望み実践するなら、
この世を天国にできるのではないかと本気で思った。
ボブが言うから(笑)。
心がけで世の中が変わるってあるな、きっと、いや必ず。
と妙に納得すると同時にボブの「Time Will Tell」の歌詞を思い出した。
Oh time will tell, think you're in heaven but you're living in hell.
ただ「律する」という言葉なしには天国にはならないでしょうね。
今は「楽に逃れ」「楽を求める」時代。
お上が我々に与えるオモチャ(テレビのワイドショー、スマホのアプリ、様々なSNS、ニ○テ○ドーDSなどなど)はヤクより簡単に(合法的に)手に入り、簡単にハマれるJahないか。
もちろん私自身が「楽に溺れる」人間ですからエラそうなことは全く言えません!!!
自警をこめて言っています。
ふう、、、最後にこの映画の登場人物の中で一番「見た目的に」印象に残ったのが細君のリタ・マーレー。
ボブ・マーレー財団ってのが存在するほど、ボブの音楽が今なお必要とされ売れ続けているのだろうね。
この映画ではボブと親密な仲となった女性も多数登場します。
ボブの女性問題で苦労し、耐えてきたリタですから、身なりが”ゴウJahス”なのも許されるのかな、なんて最後は皮肉締め。
レゲエファンならずとも観てほしいなと思うドキュメンタリー映画でした。
あ、最後のエンドロールに工藤BIG H晴康さんがちらっと出てきますよ。
そして本作の字幕監修は藤川毅さんでした。
長々と読んでくださってありがとうございます
リクルマイ