スポンサーサイト
一定期間更新がないため広告を表示しています
☆皆さんお元気ですか?☆
久々のブログ更新です。
11月からJAH SHAKAの来日ツアーが始まります。
私Likkle Maiはツアーファイナル、代官山UNITでSHAKA御大のフロントアクトを務めます。
もうかれこれ4回はサポートさせていただいているでしょうか。 SHAKAのパフォーマンスを間近で、そしてサウンドシステムで体感できるのはこの上ない喜びです。
さて「KING OF DUB」と称されるJAH SHAKAですが、 何故KING OF DUBなのでしょうか? 頭をまっさらにした状態でKING OF DUBは?と聞かれたら私はJAMAICAのKING TUBBYだと答えます。
ご存知DUBの創始者にして最高のDUBエンジニアです。 TUBBYの功績についてはここでは割愛します。 知りたい方は上の名前をクリックしてリンク先を覗いてみてください。
KING TUBBYのようにDUBエンジニアでないJAH SHAKAが何故KING OF DUBと称されるのか?
JAH SHAKAのスピリチャルで神々しいな姿や言動ばかりが独り歩きして、実際に彼のパフォーマンスを体験したことがない人は少なからずいると思います。
今回このブログではSHAKAがKING OF DUBと称されて然るべき活動と、なかなか定義付けが難しいDUBというものを私Likkle Maiの体験を通して、拙いながらも話してみたいと思います。
高校生の頃レゲエ(特にルーツレゲエ)に出会ってからTUBBYをはじめとする数々のDUBアルバムを貪っていた私、上京してからはそんな音楽が流れるクラブで夜な夜な踊りまくっていました。
レゲエやダブを掘り下げていくうちに「サウンドシステム」がキモだということがわかってきました。
現在では日本にも多種多様のサウンドシステムがあります。本場JAの最新ダンスホールをプレイするシステムが主流ですが、JAH SHAKAらにインスパイアされたUKスタイルのシステムも決して少なくないです。
ですが90年代前半には、レゲエのサウンドシステムはごく僅かでした。知っているサウンドと言えばTAXI HI-FIやVIPくらいだったかと。
レゲエの母国JAMAICAのダンスホール以上に、レイドバックしたUK(イギリス)のルーツスタイルは私にとって非常に魅力的だったので、 サウンドシステムを体験するならルーツレゲエをプレイするUKがいいなぁと思いを馳せていました。
20歳のとき私は最初の海外冒険旅をしました。 行き先はイギリス、JAH SHAKAのサウンドシステムを体験する為です。
今考えたらかなり勇気のいる行動ですが、勢いと情熱が良い方向に導いてくれたようで、エキサイティングでラッキーな旅となりました。
JAH SHAKAのTシャツを着て、極上のサウンドシステムでDUBに浸れるクラブ、その名も「DUB CLUB」に遊びに行きました。
エントランスでのセキュリティーチェック、IDをみせる通過儀礼はここで学びました。 今は東京などの都会の大きなハコはチェック有りが当たり前ですが、昔はそんなのなかったよね。
いざダンスフロアに足を踏み入れたとき、ベース音が文字通り「地を這い」床を震わせているのを体感した感動は今なお鮮明に覚えています。
イギリスの電圧(240VT)は日本よりも高いのでより爆音が出るのは当然なのですが、さらに私を感動させたのは、単に大音量なだけでなく世界を包み込むような豊かな低音、攻撃的に耳をつんざく高音、重心がかなり低めの中音、これらが非常にバランスよく空間の中に配置されていたことです。
さらに私の胸を熱くさせたのは、ボブマーリーやデニスブラウンさながらのドレッドロックス達やアフリカンプリントのダーバンとドレスを身に纏い「これが私たちのアイデンティティだよ」と言わんばかりに誇らしげに踊る女性たちの姿でした。
ヤヴァい!!!!カッコいい!!!!
ああ、ルーツレゲエはこうやって楽しむものなんだなと身をもって知りました。
この時にあることを発見しました。それはDJの(レゲエではセレクターといいます)プレイスタイルです。
通常のDJのプレイは2台のターンテーブルを使い、途切れることなく曲から曲へなめらかに繋いでいきます。
が、ルーツレゲエスタイルのサウンドシステムは異なります。 1台のターンテーブルでまずはシングル盤A面(ヴォーカルサイド)をプレイ、続いて盤面をひっくり返してB面(DUBバージョン)をプレイするのです。
A面の各楽器の演奏を「抜き差し」することで、ドラムのダイナミズム、ベースラインの美しさを引き出します。
B面におけるヴォーカルは歌詞やメロディの表現者から一転してリズムの一部になったり言葉を強調させるアジテイターになります。
曲の1番大切な歌詞にディレイというエフェクトをかけることで、呪文のようにその歌詞が鳴り響きます。無作為にディレイをかけることも多々あり、予定調和でない新鮮な響きが生まれることもあります。
引き算の美学で成り立つDUBバージョンは、私たちが音の渦の中に入り込み、ただひたすらに踊れるという仕組みになっています。 踊る為の最高の音楽がレゲエでありDUBなんだなと知りました。
その踊る為の音楽を私に観せてくれたのがJAH SHAKAです。
ルーツレゲエをサウンドシステムで楽しむというこの上ない楽しみを見つけた私は、以降お金を貯めてはイギリスに向かいサウンドシステム巡りの旅をしました。
このyoutubeに若かりし頃の私の姿が映っています(3年前のDOMMUNEでDBSさんが紹介していましたね、2分38秒あたりを見てみて)。
今まで5回イギリスを訪れましたが4回目ではDRY&HEAVYの初のヨーロッパツアーでした。
いち音楽ファンでなく「ミュージシャンとして」訪れたというのはなかなか感慨深いことでした。
その時もADRIAN SHERWOODやASIAN DUB FOUNDATIONらとの交流がありましたが、またその話はいつか。
話を戻します。
私がサウンドシステム巡りをしていた90年代から00年代にかけて、その中心にいたのは間違いなくJAH SHAKAです。
その時期のSHAKAはサウンドシステムでのパフォーマンスだけでなく、作品制作も積極的に行っていました。
もともとJAH SHAKAは優れたDUBアルバムを多数世に出していて、自身のバンド”THE FASIMBAS”と作ったオリジナル作、10作を数える「Commandments Of Dub」シリーズなどなど80年代だけで相当数リリースしています。
90年代に入るとジャマイカで音源制作(演奏はFIRE HOUSE CREW、録音とミックスはMUSIC WORKS)した作品を連発します。
MAX ROMEO「FAR I CAPTAIN OF MY SHIP」、HORACE ANDY「JAH SHAKA MEETS HORACE ANDY」、ICHO CANDY「GLORY TO THE KING」あたりは本当に名作です。
ジャマイカの制作陣によるモダンさとSHAKAならではのストイックさが見事に調和しています。
JAH SHAKA作品を初めて聴く方にはこれらをお勧めします。今ジャマイカで人気のあるルーツリバイバルのシンガーCHRONIXXやJAH9が好きな人はドンピシャだと思います。 上記の作品にはそれぞれDUB盤があり、「commandments DUB」に続くシリーズもの「DUB SALUTE」になっています。
もの凄くカッコいいです。歌モノ以上にDUBそのものを楽しみたい方、昨今のDUB STEPがお好きな方にお勧めします。
まだまだお勧めしたい作品は山ほどありますが、私はレコ屋さんではありませんのでこの辺にしておきます(笑)。
話をそろそろまとめるとしましょう。JAH SHAKAは60年代後半からサウンドシステムで一つのターンテーブルでA面B面を対比させることでDUBの魅力を半世紀にわたり伝えてきました。
注)近年は環境や条件によって2つのタンテを使うこともあります。
全盛期は10時間ノンストップでプレイしていたんだから!!!!
それだけではなく自身のプロデュースによる優れたDUBアルバムを多数世に送り出しています。
さらにはJAH メッセンジャーとして素晴らしいメッセージを世界各国のJAH CHILDREN(レゲエ好き)に届けています。
パフォーマンスの最後にターンテーブルの針を上げてからメッセージを伝えるのはファンにとってはお馴染みの光景なのですが、震災から間も無い2012年来日時には福島や東北に向けて温かく励みになることをお話しされていて私の目頭は熱くなりました。
聞き取りやすい英語ですから、実際に会場に足を運び朝方のメッセージにまでお付き合いいただきたいです。
このブログを読んで、JAH SHAKAのパフォーマンスに興味を持ってくだされば幸いです。
ついでに私Likkle Maiも宜しく(笑)。
リクルマイ